[書評]ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ―

公開日: : 最終更新日:2014/01/28 書評

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僕は小学生三年生の頃からBASIC言語でゲームを作っては、友達に遊ばせて楽しんでいた。「ぼくらの馬糞ワールド」というゲームが、友達に遊んでもらった初めての作品だったような気がする。そして「人間の欲望の塊」という名の企業経営シミュレーションゲーム、通信回線経由で人間の思考を読み取って宇宙人や超能力者が闘いを挑んでくる「究極のジャンケン」ゲーム、吹き抜けなど高さを感じられる構造を表現できる3Dダンジョンゲームや、戦闘シーンがリアルタイムカードバトルになっているRPGなども作った。これらの開発には、ツールの制作も込みで4年かかった。当時高価な3Dモデリングソフトなどをバイト代では買うことができず、3Dデータを独自のテキストデータに格納して、秀丸で開いて直書きで修正したりしていたような気がする。テクスチャのデカールツールなどはさすがに専用のツールを作ったけども。

商用でも、iPhoneゲームアプリを1つ作った。これは企画・提案・実装のほとんど全てを自分一人でやる必要があり、企画の時点で非常に悩まされたのだけど、なんとか無事リリースでき、ユーザーの方にもご好評頂いているようだ。

そんなこんなで趣味でも仕事でもいくつかゲームを制作してきた自分が、「もっとうまく作れるようになるネタはないだろうか?」ということで目に付いたのがこの本。

Amazon.co.jp より紙の本として購入し、裁断・スキャンしてKindle DXにて読書。

最高に面白いゲームを作る方法などは載っていないけれど、桝田氏が「リンダキューブ」「俺の屍を越えてゆけ」などのゲームを発想しデザインしていく過程を知ることが出来る。

以下、目次。

●1. みつける 着想/加工
日常の中の個人的な欲求
他人の欲求を探る
自分ならどう作るか?
父の死さえネタにする
ゲームにするはずが……
見込みがありそうなネタの選別方法
神経衰弱とババヌキの比較、藤子不二雄作品
ボリショイサーカスから学ぶ
1コインでできる分解の演習
たとえば百円ショップ
●2. つくる 設計/調整
着想を企画書に落とす その1
システムでドラマを生成する
戦闘の意味づけ
着想を企画書に落とす その2
着想を企画書に落とす その3
未知なるものを体感させる
イメージを数字や式に落とす
ゲームにおけるシナリオの役割
キャラを立てる
珠玉のメッセージ
原因を探る ――調整作業――
欠点や失敗を活かす
失敗することについて
●3. かんがえる 信条/哲学
テレビゲームとは何か? その1 初めてのテレビゲーム
テレビゲームとは何か? その2 それは偶然か?
テレビゲームとは何か? その3 しょせんはゲームだ
テレビゲームとは何か? その4 小説や調査との比較
思考のレッスン その1 幻の天外魔境IIIとハルカ
思考のレッスン その2 最近気になってるテーマ“揺らぎ”
思考のレッスン その3 面白いと感じる戦闘の条件
遊びのルールを創造する
あとがき
●コラム
・僕は、こうしてゲームデザイナーになった <前編> <後編>
http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4774141925/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

以下、興味深かった箇所、印象に残った箇所について。

とあるゲームのテストプレイで、BBというボスが強すぎて倒せない時にどうやって難易度を調整するか?という話が面白かった。BBを弱くするだけでは、BB以降の難易度も調整し直さなければならなくなって面倒だ。この時の解決策は、BBキラーなる武器の導入。BBに対して攻撃したときだけ、威力が倍になる。こういう解決策であれば、BB以降のゲームバランスを再調整する必要はなくなる。

また、「俺の屍を越えていけ」というゲームを作ることとなったキッカケが面白かった。祖母が曾孫の顔を見て泣きじゃくるのを見たのがキッカケなのだという。「自分の子孫を見たときの感動」をゲームでも再現しようとしたのが、「俺の屍を越えていけ」なのだそうな。

そういえば、オモチャメーカーの方の話を聞いても、「日常生活で気持ちいいこと、快感を感じることを見つけて、それをおもちゃに落とし込んでいくんです」とおっしゃっていた。たとえば無限プチプチなどもそうなのだろうか?

これからゲームの企画を考えるときは、日常生活における欲求や快感などに注視するようにしてみたい。

これからソーシャルゲームやiPhoneゲームを企画しなければ、作らなければいけないのだけど、どうしよう?という方にオススメできる一冊です。

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