「キャズム」を読んだ
公開日:
:
本
記事内に広告を含む場合があります。記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
前々から読みたいとは思っていたのだけど、
ついに購入。一通り読んでみました。
気になった箇所から引用。
アーリー・アドプターとアーリー・マジョリティーのあいだを
分かつ大きな溝、すなわちキャズムである。
ひとことで言うなら、キャズムの時期に販売重視の戦略を立てるのは
致命的である。
口コミ効果がないと、製品を売り込むのに苦労することになり、
その結果、販売コストは上がり、売上は不安定になる。
このように、スマートカードには無限の可能性がある。
ただし、カードリーダーが至るところにあればの話だが。
しかしここでは、キャズムを越えるために必要なホールプロダクトに的を絞ることにしよう。
言い換えれば、それは、顧客の「購入の必然性」に応えるホールプロダクトということになる。
ターゲット・カスタマーが異なれば
求められるホールプロダクトも異なるということが理解できるだろう。
キャズムを越えようとしているときには、
ベンダーが自分を支援してくれる相手を積極的に探し求めないかぎり、
そのような相手が自然発生的に集まってくるということは期待できない。
戦術的な提携関係が目指すところはただひとつ。
それは、ターゲットとするマーケット・セグメントが求めるホールプロダクトを
構築することである。
つまり、ホールプロダクトを共同開発して、
それを市場に出すことである。
実利主義者にとっての「競争」とは、
ひとつの製品カテゴリーの中で複数の製品とベンダーを比較検討することなのだ。
キャズムを越えようという試みは、
自然な流れに逆らう行為である。
キャズムを越えるときには、市場重視の考え方を主とし
製品重視の考え方を従とすることによってはじめて、
ターゲット・カスタマーにとって価値のある企業になることができるのである。
名前とカテゴリー。
このふたつは、テクノロジー・マニアが商品を買いやすくなるために、
不可欠なポジショニング要素である。
ポジショニングというのは、
ターゲット・カスタマーの頭の中に
こちらの製品に関する観念をしっかりと植えつけることであったのを
思い返してほしい。
テーマをテクノロジーからビジネスに移すためには、
そこにハイテクを越えた何かが必要になる。
小売業者がもっとも得意とするのは
顧客の需要を満たすことであって、
決して需要を創出することではないという点を強調しておきたい。
需要を創出しないという点において、
そしてホールプロダクトを構築しないという点において、
小売はキャズムを越えるときの販売チャンネルとしては不向きなのである。
キャズムを越えようとしているベンダーにとって、
システムインテグレータと協業することはこのうえもなく重要な意味を持つ。
なぜなら、それが実現すれば、
その後メインストリーム市場で認知される可能性が飛躍的に高まるからである。
これから先は、
好むと好まざるとに拘らずホールプロダクトを
R&Dの対象にしなければならないのだ。
関連記事
- PREV
- 引き続きLispを勉強中
- NEXT
- Xcodeプロジェクトでcommitする必要のないファイル