土曜の読書:書評「インフォコモンズ 佐々木俊尚」

公開日: : 最終更新日:2014/01/28 書評

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本書は、ライフストリーム、暗黙ウェブ、集合知モデル、協調フィルタリング、セマンティック・ウェブ、多方向型SNSといったコンセプトや手法について解説しながら、情報共有圏(インフォコモンズ)のイメージを提示する。

以下、目次。

プロローグ
第1章 情報共有圏という考え方の誕生 
第2章 暗黙ウェブの出現
第3章 「信頼」と「不安」を生むシステム
第4章 ウェブ3・0は「信頼」と「友情」を両立させる
第5章 「情報の非対称性」が大問題だ
第6章 インフォコモンズ後の世界の姿

特に気になったのは以下の箇所。

たとえば企業向けSNSの中では、企業秘密を社員同士で共有する。
性的な趣味のSNSでは、人にはなかなか言えない隠微な好みを加入者同士でこっそりと共有する。
あるいは家族のSNSであれば、お祖父さんが遺言を書いておき、つながっている家族三人がいずれも「祖父は亡くなりました」と認定すれば、その遺言を開封できるような仕組みを作っておくーーーといったことも可能だ。
つまり、人が複数の人間関係の方向に合わせて、いくつものSNSにつながっていくというモデルである。
ただし、こうした概念はまだ確立していない。試みにこれを「多方向型SNS」と呼んでみることにしよう。
こうしたマルチディレクショナルSNSは、第5章で説明した二部ネットワークにも対応できる。多層型の情報共有圏を構築するアーキテクチャーになりうるのだ。
たとえば、音楽では1970年代のテクノポップが好きで、食事はオーガニック系の和食以外は受け付けず、仕事はウェブデザイナーという女性がいたとする。
この女性は、テクノポップとオーガニック和食とウェブデザインという三つの領域をすべて共有できるような友人を、なかなか見つけることができない。しかしテクノポップのSNSとオーガニック和食のSNS、それにウェブデザインのSNSにすべて加入すれば、それぞれの好みを満たすことが可能になる。それぞれの分野で、CDやレストランや仕事のツールのお勧めを、SNSでつながった友人たちから得ることができる。
好みが一致しているSNSの世界では、自分の好みを友人たちに知らせたり、あるいはその好みの分野についての行動を友人たちに知らせるようなライフストリームも雑音化しない。つまり信頼を確立することが可能で、そして同時にその信頼関係を、SNSというシステムによって友情関係へと昇華させていくことが可能になるはずだ。

とはいえ、このようなマルチディレクショナルSNSに関しては、困難な問題点も存在している。
最大の問題は、暗黙化されていないということだ。自分自身の采配で、自分がどのようなSNSに接続すればいいのかを選ぶのは、現実的ではない。

インフォコモンズ p.198より引用

Facebookのアクティビティフィードは、自分の行動にフィルタをかけずに友達・知人へと垂れ流しにしてしまう。ジャズに興味のある知人に、AKB48に関するアクティビティフィード(アルバムを買いました、ライブに行きました、ect)を垂れ流しにしてもノイズにしかならない。解決策としては、興味のあるキーワード・ジャンルなどを元にフィルタリングをかけておくという手があるが、そうしてしまうと偶発的な出会いをも遮断してしまう。そしてキーワードやジャンルを手動で入れるのは手間となってしまう。システムがある程度自動的に各人の趣味や趣向、そしてその移り変わりを判断・推測し、それに合わせてフィルタリングを動的に変化させていきつつ、友人・知人の情報発信を遮断、あるいはレコメンドなどしていけば、より有用な情報の流れをシステムが補佐できるようになるのではなかろうか?

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