書評「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

公開日: : 最終更新日:2014/01/23 書評

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ども、@akio0911 です。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(以下、もしドラ)の感想をまだ書いていなかったので、書きたいと思います。


高校野球部の女子マネージャーが「マネージャーとはなんだろう?」という疑問を持ち、書店へ行くところから話は始まる。

「これなんかいかがでしょうか?これは「マネージャー」あるいは「マネジメント」について書かれた本の中で、最も有名なものです。世界で一番読まれた本ですね。もう三十年以上も前に書かれたものなんですけど、今でも売れ続けているロングセラーです。これは、その要点を抜き出した「エッセンシャル版」です。「完全版」というのもあるんですけど、初めての方にはこちらをお薦めしています」
そこでみなみは、その本を手にとって見てみた。タイトルには、そのものズバリ「マネジメント」とあった。著者はピーター・F・ドラッカーで、編役者は上田惇生、出版社はダイヤモンド社となっていた。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」より引用

と、いきなりダイヤモンド社から出ている「マネジメント エッセンシャル版」の紹介。つまり、今回の「もしドラ」を読み終わったら、「マネジメント エッセンシャル版も買ってね!」ということである。なんとしたたかな!(ボクはエッセンシャル版を買ってしまいましたが)

さらに、こんな二冊セットまであったりする。したたか過ぎる。

そして本編の方だけど、高校野球部を舞台にして、ドラッカーのマネジメントに従って組織改革を行っていく様子がえがかれる。その中で気になったのが以下の箇所。

専門家のアウトプットとは知識であり情報である。彼ら専門家のアウトプットを使うべき者が、彼らの言おうとしていること、行おうとしていることを理解しなければならない。
専門家は専門用語を使いがちである。専門用語なしでは話せない。ところが、彼らは理解してもらってこそ初めて有効な存在となる。彼らは自らの顧客たる組織内の同僚が必要とするものを提供しなければならない。
このことを専門家に認識させることがマネージャーの仕事である。組織の目標を専門家の用語に翻訳してやり、逆に専門家のアウトプットをその顧客の言語に翻訳してやることもマネージャーの仕事である。

ボクは技術の人間なので、そうか、マネージャーは翻訳をしてくれるのだなあと思いました。

また、以下の箇所も良かった。

人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であり、脅威である。
しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。

ボクは弱みがあるのが嫌で、弱いところも強くしようと頑張ってしまうクセがあるけれど、そうではなく、自分の弱みを中和してくれる別の人を探してきて、お互いの弱みを中和して人の強みを最大限発揮させなければならない。

そんなわけで「もしドラ」は舞台が高校野球部ということで非常に読みやすく、そしてドラッカーのマネジメントがどういったものなのかを軽く触れられると思う。ドラッカーが気になるという方へ、超入門書としてお薦めできる本である。

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