Googleは宇宙規模でクラウドの最適化を行おうとしている?
公開日:
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最終更新日:2013/11/10
コラム・雑記
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以下、素人の思い込みというか妄想かもしれません。
「Googleは宇宙規模で、クラウド内におけるジョブ実行地点やストレージ格納地点などの最適配置を行おうとしている」
ひとまずクラウドコンピューティングに関するWikipediaからの引用。
ネットワーク(特にインターネット)という「雲 = クラウド」の向こう側に、サービスを提供するサーバなどがあるが、ユーザーからはもはやサーバの場所も台数も構成も認識できず、単にサービスを受け取っているようなイメージといえる。
では、Googleの最近の動きを見てみましょう。まずは結構有名な話から。
地理でアルミニウム産業は電気を大量に使うから電力立地すると習ったわけだが、データセンターも大量に電気を使うからとGoogleの新データセンターは電源立地だそうだ。
ビットとアトムばかりに目を奪われていたが、その間にはエネルギーという要素があるわけで、エネルギーを多量に消費する情報産業がダムの近くにデータセンターを置くというのは実に合理的だ。
発電地点に関する話題といえば、砂漠発電という話もあります。
ゴビ砂漠は、国際エネルギー機関(IEA)太陽光発電システム研究協力協定(PVPS)におけるタスク?「大規模太陽光発電システムに関する調査研究」において、100MW級大規模太陽光発電システムの有望な候補地として挙げられ、その概念設計や発電コストの試算が行われている。
ここで他の記事を引用します。
Data Center Knowledgeによると,米国に少なくとも12ヶ所,欧州に5ヶ所のデータセンターが稼働しているという。しかし,建築中のセンターや間借りしているセンターも含めると,以下のように数多く世界中に分散配置されている。
UNITED STATES
Mountain View, Calif.
Pleasanton, Calif.
San Jose, Calif.
Los Angeles, Calif.
Palo Alto, Calif.
Seattle
Portland, Oregon
The Dalles, Oregon
Chicago
Atlanta, Ga. (two sites)
Reston, Virginia
Ashburn, Va.
Virginia Beach, Virginia
Houston, Texas
Miami, Fla.
Lenoir, North Carolina
Goose Creek, South Carolina (Under construction)
Pryor, Oklahoma (Under construction)
Council Bluffs, Iowa (Under construction)
INTERNATIONAL
Toronto, Canada
Berlin, Germany
Frankfurt, Germany
Munich, Germany
Zurich, Switzerland
Groningen, Netherlands
Mons, Belgium
Eemshaven, Netherlands
Paris
London
Dublin, Ireland
Milan, Italy
Moscow, Russia
Sao Paolo, Brazil
Tokyo
Hong Kong
Beijing
Googleデータセンターの地球上における配置については以下の写真が分かりやすいです。
Googleはデータセンターを世界中に分散配置していることが分かります。
しかし、Googleが分散配置する目的というのは一体何なのでしょう?
システムの冗長化?
ここで更に他の記事を見ていきます。
ほとんどの企業は、ジョブをサーバから別のサーバにスムーズに移動する方法を考えているが、Googleの課題はけたが違う。Googleはジョブをデータセンターから別のデータセンターに移動できるようにしたいと考えている。しかも自動的にだ。
どうやらGoogleはジョブ実行地点の最適化を自動で行おうとしているようです。では、何故ジョブ実行地点の移動を行わなければならないのか?
マッキンゼー(McKinsey)の調査によると,データセンターのエネルギー消費量が,2006年および2007年と続けて,年率30%で急増したようだ。これは,2006年から2010年まで年率9%で増えていくという米国環境保護局(Environmental Protection Agency:EPA)の予測を大幅に上回る。もし現在のような急増が2010年まで続くと,同年までに原子力発電所などが新たに10基も必要になるという。さらに同じペースで2015年まで続くと,さらに20基が必要とのことだ(合計30基)。
きっと「Googleクラウド全体を稼動させるためのトータルコストを削減したい」ということなのだと思います。
では、ジョブやストレージの地点を決定するための判断材料には何が使われるのか?そこでSensor Networkなどの技術が必要になるのかもしれません。
PlaceEngine: WiFi Location Platform Based on Sensonomy « Rekimoto Lab
そこで思い出したのが以下の記事。
「サーバは衛星軌道がいいか」
PS2開発もおおよそ終わった一九九九年前後のことである。
技術チームを集めたブレインストーミングの席上で、久夛良木がこんなことを言い始めた。
「世界中のPS3かPS4から、一つのサーバーにアクセスさせるとすれば、どこに置くのがいいだろうか。
等距離とすると、衛星軌道か?」
参加するエンジニアは、半ば驚きながら、このように答えたという。
「いや、むしろ月面でしょう。衛星軌道じゃあ、放熱の問題が大変ですから」
「サーバーは衛星軌道がいいか」 ゲーム開発ではなくコンピューター開発者であった久夛良木健の栄光と没落の軌跡が分かる良書が登場! – さて次の企画は
当時は「夢物語だなあ」なんて思ってたんですが、そう遠くない未来に実現しちゃうのかも。あれ?宇宙といえばGoogleってなんかやってなかったっけ?
まず両者は,NASAの所有する各種情報をインターネットで公開する活動に取り組む。具体的には,天候のリアルタイムな可視化,天気予報,月および火星の高精細な3次元(3D)地図,スペースシャトルと国際宇宙ステーション(ISS)のリアルタイム情報などを提供していく。3D地図表示ソフトウエア「Google Earth」にNASAのデータを提供するといった作業も行う。
Cloudsレイヤーでは、実際の雲の状況を見ることができる。情報はモントレーの米海軍調査研究所によるもので、1時間ごとに更新されるが、画面には2時間程度遅れて表示される。ズームインすると、雲を突き抜けて地上にたどり着くようになっており、そこから雲を見上げることができる。
yu_earth3.jpgyu_earth4.jpg 見上げれば雲とレーダー情報(緑の部分)が見える
RadarおよびConditions and Forecastsの情報は、Weather.comによるもの。降雨情報が分かる気象レーダーの情報は15分ごとに更新され、ほぼリアルタイムで見ることができる。現在は米国本土を対象としているが、近日中にハワイやアラスカ、欧州にも対象を拡大する予定。現在の天気と天気予報は、世界5万都市を対象としており、現在の天気は1時間ごと、天気予報は数時間ごとに更新。都市によっては、現在の天気情報はより頻繁にアップデートされるという。
実際のGoogle Earthの画面。
ここに様々なSensor Networkが接続されてくれば、更に判断材料が増えてすごいことになりますね。
この提携の下、グーグルとNASAは、大規模データ管理、大規模分散コンピューティング、ユーザー・インタフェースなどの分野における難しい技術問題にも取り組むことになっている。
昨年9月、グーグルとNASAは技術問題の解決に向けた協力で覚書(MOU)を取り交わした。そのMOUには、グーグルがカリフォルニア州モフェットフィールドのNASAリサーチパーク内に100万平方フィートあまりの施設を建設することも盛り込まれた。18日の記者会見でグーグルの代表が語ったところによれば、この施設の建設はまだ計画段階にあり、着工期日なども決まっていないという。
Google Earthで月や火星まで小旅行──グーグルとNASAが提携 : ソフトウェア&サービス – Computerworld.jp
「NASAと一緒に大規模分散コンピューティングなどの課題に取り組んでいくよ」ってことでしょうね。
「Googleは宇宙規模で、クラウド内におけるジョブ実行地点やストレージ格納地点などの最適配置を行おうとしている」
以上、妄想終わり。
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